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イスタンブールのメトロバスに搭乗
しばらく休んで街を歩くことにした。泊まっていたのはイスタンブールの郊外30kmほどの位置にある海沿いの街だったが、折角であれば都心も体験してみたいと思いイスタンブール市街に向かうことにした。イスタンブールは地下鉄が発展しているが、郊外にはメトロバスという独特のシステムが存在する。これはバス専用の軌道を造り、その上に駅を設置するもので鉄道のバスバージョンというのが分かりやすい例えかもしれない。行先はすべて同じで、15秒に1本くらいのバスが来る。かなりのハイペースだ。加速は滅茶苦茶に強く、速度も100km/hを超えているだろう。乗り合いバスタイプの車両だが、立っていられないほどの加速度が掛かった。バスに40分ほど乗って、メトロの駅に着いた。
イスタンブールでは、イスタンブールカードというSuicaのようなICカードがあり、それを使って公共交通機関に乗車する。駅の前にある券売機で新しいカードを買い、チャージもそこでできる。
イスタンブールのスラム
その後メトロに乗り換えて移動した。メトロの車両はとてもレトロで、実用本位な見た目をしていた。30分ほど乗り継いでTaksim駅に到着した。
この辺りは新市街の中心として観光名所になっているが、その裏側に一歩踏み入れるとスラム街が広がっている。「トルコでは標高が下がるほど治安が悪くなる」と友人は話していたが、確かにTaksimも同様で、裏道に入ると急な下り坂があり、肌で感じられる不穏な空気が漂っていた。地元民がこちらのことを静かに見ていた。何か変な動きをすればすぐに手を出されそうな、そんな空気に自然と速足で歩き続けると、バイクに乗った若者2人がこちらのことを見て、写真を撮っていたことを咎めた。「お前、何撮ってんだよ!」もの凄い勢いで詰め寄られ、手を掴まれた。これはヤバいと感じ、「写真は撮ってない、手を放せ!」と返した。このような場合、一瞬でも隙を見せると危険だ。
特にスラムでは、はっきりと自己主張をしないと負ける。「放せ!」と手を振りほどき、安全な方向に歩こうとしたが、ついてくる。必死で振り返ることは出来なかったが、30mほど逃げたところで追手の足音が聞こえなくなった。これ以上ここを歩くのは危険と判断し、急いで地下鉄の駅に向かった。地下鉄など改札があるところは、お金を払う必要があるため最低限の安全性が確保されている。地下鉄のホームに着き、急いで地下鉄に乗りホテルに戻った。
ホテルに着いた後は、やっと本当に安心できた感じがしてトルコのテレビを見ながら眠りに就いた。